2008年6月27日 (金)
水着

最近はどこに行っても水着の話題ばかり。先日お会いした琴欧洲には流暢な日本語で、ボビー・ヴァレンタイン監督には綺麗な英語で「水着はどうなるんですか?」。オフィスでも外国系メディアからコメントを求める電話。当の選手たちもウンザリしていたに違いない。
なぜ私が水着の件で問合せを受けるようになったのか?『1988年ソウル五輪で鈴木大地が指定されてない水着で泳いだ』という新聞報道が大きい。この事実を関係者と私は暗黙の了解で封印してきた。ところが、ある筋から報道関係者にリークされたのである。その意図は既成事実を楯に「過去こんな事例があったので今回も認めろ」という論法だった。今の選手がよりよい形で五輪を向かえられるのなら私の前例をどんどん利用してもらいたいと思っている。
ただ誤解されるのだけはゴメンなので事情を説明したい。私は当時、水泳チームの監督・コーチに事前にお伺いを立て了解を得て水着を変えたのだ。しかも連盟が認めた水着メーカー2社間での変更。それは「自分の好きな水着を着て、自分の結果に責任を持ちたい」という理由からだった。自分の気に入らない水着を着て結果が悪かった時に、水着のせいにしたくなかったのだ。自ら背水の陣をひいて追い込み、勝つしかない状況を作ることは、潜在能力を引き出す一つの手段だと今でも信じている。「(結果が悪かったとしても)水着のせいにできない」(五輪水泳監督上野広治氏)。今回の決定で北京での日本水泳陣の活躍がまた一つ現実のものになったと予想している。
さて、水着といえば将棋の名人戦での出来事。先日、両対局者に私は水着をプレゼントした。「以前はよく泳いでいたんですけど最近はさぼり気味です」という羽生善治さん。一方「カナヅチです」という森内俊之名人。重要な対戦の前夜、気さくにお話して下さった。
羽生氏は将棋界の広報役であることを自覚されているよう。相手を楽しませようと努めておられるように感じた。森内名人はじつに謙虚でかつ芯の強そうなお人柄。水着を通してお二人からサービス精神や謙虚さなど学んだ。水着水着の数週間であった。
毎日新聞6月13日朝刊
*この後、羽生善治さんは名人となりました。
